Plug and Play主催 Japan Summit 2025イベントレポート-大企業におけるイノベーションの勝ち筋を探る
Plug and Play Japanが主催する「Japan Summit 2025」が、10月21日(火)22日(水)にTokyo Innovation Baseで開催され、会場内では多くの企業出展やイベントが実施された。
その中で注目を集めたのが、21 日に行われたセッション「成果を出すイノベーションとは!~大企業イノベーションの今後の勝ち筋~」だ。こちらのイベントの内容から企業におけるイノベーションの在り方や勝ち筋に関してのヒントが詰め込まれていた。
「成果を出すイノベーションとは!~大企業イノベーションの今後の勝ち筋~」

【登壇者】
・株式会社みずほフィナンシャルグループ 執行役員 CBDO 中馬和彦氏
・株式会社ベンチャークライアント 代表取締役社長 木村 将之氏
・日本電気株式会社(NEC) コーポレートアライアンス統括部 チーフインベストメントオフィサー 瓜生隆秀氏
モデレーターはPlug and Play Japan株式会社 Executive Officer, COO内木遼氏。
「イノベーションを“絵に描いた餅”で終わらせないためのリアルを共有してほしい」
——セッション冒頭、モデレーターの内木氏が投げかけた一言から、議論は一気に熱を帯びた。
登壇者3名はそれぞれの立場から、成果を出すイノベーションをどう実現するかを語った。
みずほフィナンシャルグループの中馬氏は、KDDI時代から数々の新規事業を生み出してきた経験をもとに、「大企業に必要なのは“先読みの力”」だと指摘。外部トレンドをいち早く読み解き、一歩先を仕掛けることが競争優位につながると語る。そのスピード感を金融の世界に再現する挑戦を、今まさに続けているという。
ベンチャークライアントの木村氏は、BMW発祥の「Venture Client Model(ベンチャークライアントモデル)」を日本に導入してきた第一人者だ。「成果を出すことに特化したイノベーション手法」として、課題の明確化からスタートアップ選定、実証実験、本格導入までのステップを紹介。「協業の“質”を見なければならない。課題ドリブンでなければ、スタートアップ側に引っ張られるスタートアップドリブンに陥る」と強調した。
M&AスペシャリストというイメージのあるNECの瓜生氏は、M&Aを通じた事業変革の最前線を紹介。M&Aでインパクトが出る重要なテクノロジーを持ってきて新たな成長領域を切り開く。一方で、NEC Xのようなインキュベーションプログラムを通じて外部起業家と共創も行う。その“両サイド”を体現していると語った。
“企業文化をアップデートする”ことが、真の成果を生む
成果を出すイノベーションの結論として3人の浮かび上がった認識は、「企業文化をマルチな環境に耐えられるような構造にアップデートすること」「領域選定とネタ選別」「成長したいという強い意志」だった。イノベーションは単なる新規事業開発ではなく、企業文化・構造そのものを変革する営みであり、成功できる領域を特定させ、継続的に挑戦できるモチベーションや仕組みを根づかせることが重要だという結論に導かれ、会場は深い共感に包まれた。多様な現場の知見が交錯した本セッションは、日本の大企業イノベーションの「勝ち筋」を再定義する一歩となった。

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