大企業が競い合った「第二回日本新規事業大賞」 大賞を受賞したのは医薬品流通の未来を変える新サービス
5月8日、9日、東京ビッグサイトで開催されたStartup JAPAN。200社以上のスタートアップのブースが並ぶ中、多くの観客を集めて8日に行われたのが「第二回日本新規事業大賞」の審査。数多くの応募の中から選びぬかれた7社の代表による白熱のピッチは、いずれ劣らぬ充実の内容と鋭い切れ味。最終的に大賞を獲得したのは、日本を代表する企業のヘルスケアビジネスの新規事業だった――。
日本を代表する企業が集結
日本製鉄、キリンホールディングス、リコーグループ、ANAホールディングス、NTTドコモ、そしてあおもり創生パートナーズ。これらは、第二回日本新規事業大賞の最終審査に残った7社だ。昨年スタートした日本新規事業大賞は、歴史ある企業で時代を変えるイノベーションに挑む新規事業を表彰。応募条件は、 日本に本社所在地を持つ企業で、
・資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社
・資本関係上の親会社が会社法上の大会社に該当する、資本金5億円未満負債総額200億円未満の株式会社
・資本金1000万円以上かつ、創業30年以上の株式会社
のいずれかに該当すること。昨年から大幅に増えたという候補の中から選ばれた7社は、いずれも日本や地域を代表する企業ばかりで、スケール感のある事業内容はもちろん、ピッチでの振る舞いもさすがと言いたくなる充実したものだった。

大賞はキリンホールディングスの新規事業
どの企業が大賞を受賞してもおかしくない状況で、審査員が大賞に選んだのは、キリンホールディングスの「キリンのAI予測を使った薬局版・処方薬の置き薬“premedi”」。調剤薬局向けに独自開発したAIによって、調剤機会の少ない「ロングテール在庫」と呼ばれる医薬品の在庫を予測。在庫管理を簡略化し、廃棄薬を減らすなどさまざまな課題を解決するこのサービスは、薬局の経営に寄与するだけでなく、日本の薬品流通を大きく変える可能性を持っている。
大賞を受賞した瞬間、大きなガッツポーズを見せたキリンホールディングスのグループ会社Cowellnex(コヴェルネクス)株式会社の田中吉隆さんは、
「社内の新規事業としてやってきたのでこういう場でピッチをすることはなかったのですが、この日本新規事業大賞でその機会をえることができたことに感謝します。大賞をとれたのは、チームメンバーのおかげだと思っています。ありがとうございました!」
また、オーディエンス賞では、昨年FTS INTREPRENEURS AWARD 2024の受賞をした、中小製造業向けに設備部品管理・マッチングプラットフォーム「Kamameshi(カマメシ)」を提供する株式会社KAMAMESHIが選ばれた。
7社のピッチを見て改めて感じたのは、日本の大企業の底力。イノベーションというとスタートアップの専売特許のような印象があるが、歴史ある企業からもどんどん新たなアイデアが生まれている。そんな中から時代を変え、日本を変え、世界を変えるプロジェクトが生まれてもなんら不思議はないと思えた。
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