入山章栄教授の「最新スタートアップ講座」【新春特別企画】 「2025年、スタートアップ関係者が読むべき本3冊+1」

早稲田大学大学院文学経営管理研究科教授であり、長年日本のスタートアップについての研究を続けてきた経営学者の入山章栄さんによる最新スタートアップ講座。今回は新春特別企画として、スタートアップ関係者なら読んでおくべき3冊を入山先生に推薦してもらいました。
『イーロン・マスク』[上下巻]
ウォルター・アイザックソン著(文藝春秋)
「スタートアップに必要なものはなにか。それは狂気にも似たパッションだということを教えてくれる本です。あまりにも極端な性格ゆえに会社の外はもちろん内部にも敵を作りながら、それらをとてつもないパワーで抑え込んでいく。自分が成功するためには何をやってもいいんだというイーロンのぶっ飛んだ感覚は、日本のスタートアップに欠けている部分。もちろん、近くにそういう人物がいると大変だとは思いますが(笑)、彼がなぜここまでのぼりつめることができたかということは知っておくべきだと思います」
『ハードシングス』
ベン・ホロウィッツ著(日経BP)
「著者のベン・ホロウィッツは、数々の起業を成功させ、現在はVCの共同経営者となったシリコンバレーの立志伝中の人物。彼が起業家時代に体験した数々の困難、ハードシングスをありのままに描いたのがこの本です。不況に襲われ、仲間に裏切られ、市場に見放され……そんな数々の困難に彼がどう向き合い、そして乗り越えたかという物語にはスタートアップに関わる人間のすべてが学ぶべき教訓が隠されています。スタートアップの世界に順風満帆という言葉はないんです。成功しただれもが大小さまざまなハードシングスに見舞われ、それを乗り越えてきている。いま、まさにハードシングスにあるアントレプレナーはぜひこの本を読んで自らを励ましてください」
『起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと 増補改訂版』
磯崎哲也著(日本実業出版社)
「スタートアップの最大の課題は、資金です。いくらいいアイデアがあってもお金がなければ何もできない。では、どのように資金を調達すればいいかを丁寧に解説しているのがこの本です。スタートアップ界隈ではベストセラーともいえる1冊ですが、この本を読めば、起業する際にどういうことを考え、どういう座組で会社を作り、どういうタイミングで、どんな投資家と付きあえばいいかということがすべてわかります。ネットなどにも資金調達に関する情報は溢れています。でも落ち着いてこの本を読み、自分の事業計画を見直してみると、見落としていることを発見できるのではないでしょうか」
『世界標準の経営理論』
入山章栄著(ダイヤモンド社)
「最後に自分の本を紹介させてください(笑)。この本は世界中の最高レベルの経営理論をわかりやすくまとめたものですが、スタートアップに限らず、世界中すべての経営は人間が行っているわけです。その人間の本質を知るという意味でぜひこの本を読んでいただきたい。分厚い本ですが、どの章からでも読めるようになっているので、気になるところから読んでもらって構いません。即効性はないかもしれませんが、頭に入れておくといつか必ず役に立つ内容が詰まっている1冊です」
新着記事
-
【BooSTAR】「スタートアップを加速する! 日本の研究分野をけん引する“大学”の取り組み最前線!」3月23日(日)午前10時放送2025.03.23
-
【いまさら人にはきけないスタートアップ用語 vol.01】ベンチャーキャピタル(VC)とは?2025.03.19
-
日本初のAIアナウンサーは「NEC Innovation Challenge」から生まれた!2025.03.19
-
入山章栄教授の「最新スタートアップ講座」vol.14 「日本のディープテックスタートアップの課題」2025.03.19
-
【3/19(水)開催】世界最大級のプレシードインベスターTechstarsの出資付アクセラプログラム「Techstars Tokyo」応募説明会Ask Me Anything2025.03.19
-
Day Zeroから世界を目指す起業家のためのプログラム「Antler Residency in Japan - Batch 4 -」 4月7日よりスタート! 最終応募受付中!2025.03.19