【中間レポート:FTSスタートアップ支援プログラム】「チームでやる難しさと楽しさを感じています」FBIC部門採択者・星暁翔さん
2024年9月、“叶えたい夢や実現したいサービスを気軽に応募できるプログラム” 「FUTURE BUSINESS IDEA CONTEST」(以下:FBIC)に採択された大学生の星暁翔さん。「ハブレスホイールを用いた電動バイク」という自身のアイデアを実現するためにプログラムに申し込んだ星さんの夢はいま、どこまで進んでいるのだろうか?
理想のバイクを製品化するには
高校生のときに電動自動車に搭載するモーターを作るなどかなり高度なモノづくりを「いつもひとりで作業してきた」という星さん。今回、「ハブレスホイールを用いた電動バイク」を実現するための“仲間”となったのは、メンターの森恭佑さん(ReGACY Innovation Group)だった。
「FBICに応募したときは、明確な設計図もない、本当にただのアイデアでした。採択が決まってから具体的にどうすればいいかということを考え始めた感じです。僕はこれまで、自分の理想を実現するためにひとりで黙々とモノづくりをしてきました。今回もそういうふうにやっていくつもりだったし、FBICに採択されていなかったら、そうしていたかもしれないし、自分で使うだけの1台のバイクなら完成させられたかもしれない。でも森さんとお話しているうちに、この自分の理想のバイクをちゃんと製品として社会に出していくにはどうすればいいのかということを考えるようになりました」

専門的な知識、経験に助けられた
当然のことだが、バイクを製品化するとなると、専門的な知識が必要となる。森さんは、エンジニアの視点を持つ人間と、バイク関連の法律や流通に詳しい人間を加え、星さんを中心とした4人のチームができあがった。
「正直、最初は難しいなと思いました。自分が考えていること、やっていることをすべて確実にチームのメンバーに伝えて共有しなければならない。これまでそういうことをやったことがなかったので、かなり戸惑いもありました。ただやっぱりバイクという大きなモノを作り、それを世の中に出していこうと考えたときに、自分の理想とギャップ、問題点が生まれてしまう。もちろん自分でもいろいろ調べるんですが、ネットやAIだけでは解決できないとき、専門的な知識や経験がある方がチームにいることはすごく力強いし、彼らのアドバイスやアイデアにたいぶ助けてもらっています」
プロジェクトとしては、現在どこまで進んでいるのだろうか?
「製品化をゴールとして考えるなら、1%もいっていないと思います。製品化するとなると、安全性や法規制、量産化のためのコスト、さらにはアフターサービスなども考えなければならない。バイクができた、作った、売った、そのあとは知らないとはできないじゃないですか(笑)」
笑顔が増えてきた
メンターの森さんが語る。
「僕がうれしく感じているのは、対話を重ねているうちに星さんに笑顔が増えていったことです。チームとしてやっていくことに最初は慣れていないのかなと思いましたが、少しずつギアがあうようになってきた。やっぱりチームとしてプロジェクトを進めていくうえで、良好なコミュニケーションは欠かすことができない。製品化をゴールとするなら、まだまだ遠いですが、着実に前に進んでいると思います」
現在は、最初の部品を中国に発注している段階。学生である星さんは、大学の試験期間中にその部品ができあがるスケジュールを考えていたそうだが、
「ちょっと誤算があって、中国の春節に重なるということで工場も休みになってしまうそうです。できれば試験が終わったときには部品が届いていて、次の段階に進みたかったんですが……。でもこうやって納期が遅れたりするのもいい経験なんだろうなと。ビジネスにはトラブルがつきものだと思うし、それをどうやって乗り越えるかということも大事だと思うので」
若いときにこれだけの経験ができるのがうらやましい。FBICプロジェクトはあと3ヶ月。19歳がどこまでたどり着けるのか、いまから楽しみだ。
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